『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』感想:キムゴウンと考える「自分らしさ」とは

韓国ドラマと私

キム・ゴウンさん出演の映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」を映画初日に観てきました。
ハチャメチャなキム・ゴウンさんの役柄と演技を期待して観たのですが、この映画はもっと奥深く「人と違う」ことで苦しむ普通に馴染めない二人を描いた作品でした。

きっと多かれ少なかれ誰しも似たような経験をしたことがあるかもしれません。
私自身も感情を重ね合わせる瞬間があったので、今日はその思いをシェアしたいと思います。

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を観ようと思ったキッカケ

キム・ゴウンの魅力と期待感

今やキム・ゴウンさんは、私の好きな韓国女優の一人です。
この映画を観る前、映画試写会のインタビューを観ました。
そこでキム・ゴウンさんは、自身の大学生活は、「一生懸命大学に通い模範的な学生だった。
映画の役柄のジェヒと比べると、全く遊ぶことができなかった。ただ、この映画でクラブのシーンもあり楽しめた」
と話していました。

その真面目な大学生活を送ったキム・ゴウンさんが、一体どのように自由奔放なジェヒを演じるのか凄く気になりました。と同時になんとなくキム・ゴウンさんのはまり役にも思えました。

私が感じているキム・ゴウンさんのイメージは、芯のある強い女性。
いきなり、ベリーショートの髪型にしたのも驚きでした。変化を恐れず、新たなことを開拓しながら前に進んでいるように見えます。
この作品もきっと、彼女の新しい一歩になると思い、期待を込めて映画館に足を運びました。

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』のテーマは?

自分らしさを認めるということ

このドラマから伝わるメッセージは、「自分らしさを認めてありのまま生き抜く」ということだと感じました。

孤独なゲイであるフンス(ノ・サンヒョン)は、本当の自分をひたすら隠して「普通」になろうと苦しんでいます。
一方自由奔放なフランス帰りのジェヒ(キムゴウン)も自由すぎる目立つ行動から、「ちょっと変わった人」として見られています。

そんな二人が共同生活をすることととなり、激しくぶつかりながらも、やがて本音をさらけ出し、お互いを理解し合っていきます。
その姿は、周囲になじめない”アウトサイダー”同士が、ありのままの自分を肯定していく過程でした。

印象に残ったセリフ

映画の中で一番心に残ったセリフは、ジェヒがフンスに向けて言った一言です。

「あんたらしさがなんで弱みなの?」

またフンスもジェヒに向けて、

「お前らしさは弱点じゃない!」

お互いが相手の「らしさ」を尊重し、励まし合う場面は、観ていて胸が熱くなりました。

ありのままの自分を受け入れてくれる存在がいることで、人はこんなにも強くなれるのだと気づかせてくれました。

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』との重なり

異質な者を排除する空気と、私の経験

異質な者を排除する集団心理は、学校、職場、ママ友の間など、身近な場所でも起こり得ます。
「人と違う」というだけで劣等感を抱かされ、自分の意見を言えず、本当の自分を隠して生きざるを得ないこともあります。

私自身、威圧的な両親のもとに育ち、自分の意見を言えないまま成長しました。
母親の価値観が絶対で、逆らうこともできず、自分の意見を否定される日々でした。

しかしある時、それが限界を超えて爆発し、私は中途半端に“半グレ”のような時期を過ごしました。
その時、バイト先の先輩に就職先の話をしたとき「そこ、石ちゃんに似合わないよ」と言われた一言が、今も忘れられません。

今思えば、彼女は私の本質を見抜いていたのだと思います。

人に合わせていた自分

親や親戚、周囲に合わせることで穏やかに過ごし、自分を守ってきました。
それと同時に、「相手が望む自分」を演じ続けていたということでもあります。

今振り返ると、自分の気持ちは「弱さ」ではなく、むしろ大切な”個性”だったのではないかと感じます。
その個性を認め、いつか強みになることで、自己成長できるような気がします。

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』から受け取ったメッセージ

アウトサイダーであることを恐れない

フンスもジェヒも、周囲から見れば“アウトサイダー”でした。
でも彼らは、自分自身を受け入れてくれる誰かと出会うことで、「違うままでも生きていい」と思えるようになっていきます。

私自身も、周囲に合わせることで”インサイダー”のふりをして生きてきました。
アウトサイダーであることは、恥や劣等ではなく、むしろ「その人だけが持つ色」。
この映画は、その色を否定せず、互いに尊重し合える関係が人生を豊かにすると教えてくれました。

自分らしく生きる未来へ

「自分らしさを怖れずに表現できる場所」
これからの私は、そんな場所を少しずつでも築いていけたらと思います。

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