私は結婚して二十数年。
今家庭を持ち、何の不満もありません。
でも不思議なことに、ある女優さんの生き方や言葉を目にしてから、「結婚しなくてもいいのかもしれない」と自然に思えるようになったのです。
その女優さんの名前は、キム・ヘスさん。
韓国の第一線で長らく活躍する名女優。
「結婚は必須ではない」と語る彼女の姿は、自然でカッコよくて印象的でした。
今回は、そんなキム・ヘスさんの事がや姿勢に触れて、私が感じたことを、私なりの事がで綴ってみたいと思います。
昭和生まれの私の価値観
私は昭和40年代生まれ。
優秀な兄が二人いて、両親の期待は兄たちに集中し、私はあまり期待されず、子どもの頃から、「あなたはいずれ嫁に行き、家を出ていくから」と言われて育ちました。
新卒で務めた銀行は、次々と結婚して幸せそうに寿退社していく先輩たちばかり。
その後を追うように、私は疑うこともなく、付き合っていた現在の夫と結婚して家庭を持ちました。
当時は、30歳近くまで会社に残ると「お局様」「オールドmiss」などと陰口を言われ、「自分は行き遅れることなく早めに結婚できて良かった」などと思ったものです。
今思えば、周りの「普通」と思う感覚に、合わせてきただけなのでした。
さらに結婚してからというもの、私は「普通」という感覚に、息苦しさを感じずにはいられませんでした。
自分らしさが、少しずつ削られていくように感じたのです。
世代は一緒なのに、なぜキム・ヘスさんと違うのか
キム・ヘスさんは、私とほぼ同世代。
韓国でも、日本と同様に「結婚して当たり前」の時代に生きていたはず。
日本は、結婚を空気で縛るが、韓国では日本以上に親が結婚を心配すると聞いたことがあります。
しかし、彼女は周りに流されることなく「結婚は必須ではない」とカッコよく潔く言い切る。
この差を改めて見つめると、自分がどれだけ流されるように人生を選んできたかを、思わず振り返ってしまいます。
私は結婚と同時に仕事を辞めました。
当時は、それが当たり前で寿退社は「幸せの入り口」と迷いもせずに思い込んでいました。
しかし今思うことは、あの時本当に辞めたかったのか?それとも辞めるべきだと思ったのか?
結婚を理由に、迷いもせずキャリアを手放したあの頃の私は、自分の人生を「選択」していたというよりも、世間のリズムに合わせていただけだったのかもしれません。
そして経済的に夫に頼るようになってから、気付けばさまざまな選択を、いつの間にか夫に委ねるようになっていました。自分で考えることすら少しずつ辞めていったのかもしれません。
不満があったわけではないのですが、どこか「自分の人生を生きている」という実感から離れていったのです。
結婚相談所で出会った、さまざまな選択
結婚相談所で働いていた時、結婚を目指して入会されたのに、途中で退会される方もいました。
理由はさまざまでしたが、今振り返ると「現実的に結婚が今の自分にとって自然じゃない」と気づかれた方が多かったように思います。
婚活をする中で「自分に自信をなくした」「親の安心のために始めたけど無理していた」「条件を合わせるやり取りが疲れた」など・・・。
当時の私は、「なぜ諦めてしまうのだろう?」と思っていました。
しかし今は、少し見方が変わりました。
「辞めた人たちは幸せを諦めたのではなくて、自分の在り方を選び直しただけ」
それは、世間の「幸せの型」に自分を無理して当てはめないという、強い選択だったのかもしれません。
人生は自分が納得できればそれでいい
私自身は、結婚を通して得た学びや成長、気づきはたくさんありました。
一人では知る事の出来なかった感情や、家族の中で育まれた絆や忍耐もあります。
だから「結婚して良かった」と思う気持ちは今も変わりません。
しかし一方で、「結婚が人生の正解」とも思っていません。
大切なことは、周りの”当たり前”に合わせることではなく、自分が無理なく自然体でいられる生き方を選ぶこと。
それが、結婚であっても、独身であっても、誰かと暮らす日々であっても。
「自分の考えを大切に、人生は自分が納得できればそれでいい。」
自分らしくいられる毎日が、何よりの幸せなんだと、今は心から思えるのです。
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