シム・ウンギョンさんは、映画『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝き、その圧倒的な日本語の語彙力についても話題となりました。
なぜ、日本語があんなに上手なのでしょうか?その秘密をレポしていきます。
シム・ウンギョンが日本語に目覚めた理由
ウギョンさんは、子役として韓国で活躍していました。
しかし、いつしか日本で活躍したいと思うようになりました。
その、気持ちのはどのようにして固まっていったのでしょう。
ウギョンさんの家族構成とプロフールから考察していきます。
シム・ウンギョンのプロフィールと家族
名前 | シム・ウンギョン | ||||||||
ハングル | 심 은경 | ||||||||
出身地 | 大韓民国 江原道江陵市 | ||||||||
生年月日 | 1994年5月31日(30歳) | ||||||||
身長/体重 | 160.5 cm | ||||||||
血液型 | B型 | ||||||||
職業 | 女優 | ||||||||
事務所 | ユマニテ | ||||||||
活動期間 | 2004~ |
ウンギョンさんの父は、日本人の事業家で母は韓国人の専業主婦です。
5歳上に兄がいて一般の家庭に生まれ育ちました。
幼少期のウンギョンさんは、とてもシャイで人前では全く話せず、すぐに母の後ろに隠れるような子どもでしたが、家族や親戚の前では歌ったり踊ったりして積極的な一面を覗かせていました。
演技を始めたのは9歳の頃で、母が、シャイなウンギョンさんを心配して、演技学校に通わせました。自分の意見を表現できるようになってほしいとの願いからでした。
前回投稿した、キム・スヒョンさんも演技の道に進むきっかけを与えてくれた人は母でした。
キム・スヒョンさん関連記事はこちらです。
https://hanryu-fan.com/kim-soo-hyun-472
母親は、子どもの将来の道筋を立てるために、幼少期にたくさんある選択肢(習い事)から何が本人に向いているか必要なのかを見極める重要なキーパーソンなのですね。
シム・ウギョン子役デビュー活躍後、日本に目覚める
2004年、ウンギョンさん10歳の頃にドラマ『張吉山』で子役デビューをしました。
ウンギョンさんは、主人公の幼少期時代を演じるエキスパートとなり、2006年にKBS演技大賞青少年演技賞を受賞し、韓国の人気子役スターとして韓国芸能雑誌に名を連ね、多数のドラマや映画に出演しました。
多忙な子役時代を過ごしたウンギョンさんは、勉強する暇がなく、どんどん仕事が入ってきました。
そんな中意を決して高校生の頃、韓国を離れてアメリカに留学します。
英語は全く話せないまま留学をしましたが、ニューヨークで日本文化に出会いました。
仲良しの同級生が日本アニメが好きで、その影響からウギョンさんも日本アニメやJ-POP、文学にはまり、いつか日本でも仕事をしたいと思うようになったそうです。
シム・ウギョンは日本事務所に入り日本語を勉強
ウギョンさんの思いは叶い、2017年日本の芸能事務所ユマニテとマネジメントを締結します。ユマニテは故樹木希林さんや安藤サクラさん筆頭に、名演技で国内外で知られる俳優さんが所属する日本事務所です。
ウギョンさんは、事務所と契約後6か月間、日本語学校に行きました。
そして、日本語学校に通った後は、撮影現場で日本語を覚えました。
現場では、台本を韓国語と日本語の両方で読んでいたようなのですが、周りに韓国語ができる人はマネージャーしかいなかったため、日本語で読む必要に迫られていました。
また、現場では韓国語は避けるよう要求されていたようです。
当初を振り返ってウギョンさんは日本語についてこのように語っています。
「日本語はやればやるほど、話せれば話せるほど難しくなりますね。最初はよくわからないから、わからないなりにガンガン話していたんですね。その時期は上達したかもしれませんが、今はわかるからかえって戸惑ってしまいます。敬語も韓国語はここまでなく、こういう表現で合っているのかな、発音は大丈夫かな、気になることが多くなってきた感じです」
ウギョンさんは短期間で流暢な日本語を習得していますが、厳しい環境に身を置くことで、言語が早く習得できたのですね。
シム・ウンギョン日本アカデミー賞受賞 「新聞記者」受賞式で日本語でスピーチ
ウギョンさんは、日本映画の「新聞記者」に出演しています。
どのような役を演じてどんな賞を受賞したのでしょう。
シム・ウギョンの日本出演作品
ウンギョンさんは、岩井俊二監督や是枝裕和監督の映画に影響を受け日本映画に出演したいと思っていました。
思いが叶い「椿の庭(2020年)」や「ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年)」「新聞記者(2019年)」など数々の日本作品に出演しました。
映画「新聞記者」では、第43回日本アカデミー賞で、優秀主演女優賞及び最優秀主演女優賞を受賞しています。
最優秀賞に韓国の女優が受賞することは、日本アカデミー賞の歴史において、史上初のことでした。
日本映画「新聞記者」でのシムウンギョンの役どころ
映画『新聞記者』で、ウンギョンさんは、主人公の吉岡エリカという新聞記者の役を演じました。
彼女は、日本の新聞社で働く正義感の強い記者で、政府の隠蔽工作を暴こうとする役です。
信念を持って報道に携わる吉岡エリカを、ウンギョンさんは、日本語で演じ、観客や批評家から高い評価を受け、受賞しました。
この映画は私も観ましたが、日本のジャーナリズムや政治に関する社会的なテーマを扱う難しい内容で、日本の女優さんが演じても大変な役だったと思います。
ウギョンさんはこの役を見事に演じました。
ウンギョンさんが必死に覚えた日本語によって、存在感が増し重く深みが出る作品になったと思います。
シムウギョンはアカデミー賞受賞式で司会、日本語でスピーチ
ウギョンさんは、日本アカデミー賞の受賞式で司会を務め、新聞記者のアカデミー賞受賞時に日本語でスピーチをしています。
以下受賞時にウギョンさんが話した内容の一部を抜粋しました。
「新聞記者は、どういうメッセージを伝えればいいのかをずっと考えながら撮影した作品なので、私にとって本当に意味のある作品でした。役者としてもうワンステップ踏むことになった貴重な作品じゃないかと思っています。
言葉については、言葉の難しさもたくさん感じましたし日本語のイントネーションや発音に気を付けながら撮影しました。
藤井監督、そしてこの映画に関わっている皆さんのおかげで今ここに立っています。俳優としていつも色々悩んでいますが、もっと良い俳優になれるように勉強に臨んでいきたいと思っています。今日は本当にありがとうございます。」
ウンギョンさんは、ゆっくりとした口調で、自分の気持ちや思いを日本語にして、言葉を選びながら話していました。
子役時代から演技一筋で日本での活躍の場を広げたウンギョンさん。現在は韓国と日本を行き来して俳優業を続けています。
今後どのような役を演じてスクリーンに登場するのか、楽しみな韓流スターですね
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